”市民が討議し、決定すること”を支えるしくみ 前狛江市議会議員 いけざ俊子
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2005 年 7 月 12 日     カテゴリ:市民自治・議会改革
”市民が討議し、決定すること”を支えるしくみ
〜ドイツの『プラーヌンクスツェレ』聞きかじり〜
 『プラーヌンクスツェレ』という市民参加の一つの形を紹介してくださったのは、別府大学文学部教授篠藤明徳さん。考案者のペーター・C・ディネル教授自身もお金と時間のかかるこの方法がご自分の存命中に実現する、とは思っていなかったとか。ノイス市の中心市街地活性化についての『プラーヌンクスツェレ』が紹介されました。市が提案した路面電車の廃止が住民投票で覆され、まちの全体像を市民が決めることが求められたことがきっかけでした。
 『プラーヌンクスツェレ』の特徴は@参加者の無作為抽出 A有償であること B中立機関がプログラム設立。専門家からの情報提供 C市民討議、グループでの合意形成 D市民答申の作成、公表となっています。ノイス市では朝8時半から午後4時半まで4日間、毎日、30分の休憩、昼休みをはさんで各90分、4コマの情報提供や討議を行ない(計16回)、答申をまとめたそうです。特徴の@は選挙人名簿によること。 A有償性とは、参加者が勤務した場合を想定した報酬を税金で支払うこと。Bの専門家の役割はあくまで、市民討議に必要な情報を提供すること。
 専門家の役割は市民が討議するための材料、情報を提供することと明確に位置づけられています。事前に関係団体による円卓会議をひらき、どんな情報が必要か、整理することもあるそうです。
 参加者みんなで情報提供を受けたあとは、5人ずつのグループはどんどん替えていきます。市民はお互いを大事にしながら話し合い、「我々として〜だ」とグループの合意点を見出していくのです。

 突然指名された市民が話し合いに参加することはとても難しいと思うのですが、実は日本でも実践例があることも知りました。
 昭和23年から全国の地方裁判所201箇所で検察審査会という制度があるのだそうです。これは検察官が不起訴にすると決定したことが妥当なのかを審査する会なのですが、その審査にあたるのは、なんと衆議院議員選挙人名簿からくじで選ばれた市民で、6ヶ月間、毎週1度非公開で審査するのだそうです。既に49万人の方がこの役割にあたったとのことでした。この審査会会長を経験された高岩陽子さんは、一般国民の健全な判断が必要とされているのだと思い、わからないことは事務局に聞き、お互いの人生経験を踏まえて、一つずつ、ていねいに取り扱うことを大事にしてきたとおっしゃっていました。この審査会で不起訴が不当と判断されたものについては検察側は再検討しなければならないそうです。

 医療のインフォームドコンセントも然り。家を建てる時だって、専門家の助言は受けるけれど、どんな家に住むのかを決めるのは、すむひとですよね、という事例がとてもわかりやすい。税金の使い方を市民が、しっかり情報を得た上で判断することが大事なんだと、確信し、その方法を世界中の人が、いろんなかたちで模索していると思うと、うれしくなります。こうして出された市民の答申にはもちろん行政も、議会もそれに対する賛否を明らかにしていくことが求められるわけです。

 機会があれば、詳しく学んでみたいと思います。


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